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神戸家庭裁判所 平成2年(家)2434号 審判

申立人 陳桑 外2名

相手方 陳水剛 外2名

主文

1  被相続人の遺産を次のとおり分割する。

(1)  別紙遺産目録不動産欄番号1~5、17~20、特定同族会社株式欄番号2預金欄全部及びその他欄全部は、それぞれ申立人3名が各持分3分の1の割合で共有取得する。

(2)  別紙遺産目録不動産欄番号8~15、31、32、特定同族会社株式欄番号1、有価証券欄番号5は相手方陳永剛の単独取得とする。

(3)  別紙遺産目録不動産欄番号6及び7は、相手方陳克華と相手方楊静仁が持分2分の1の割合で共有取得する。

(4)  別紙遺産目録不動産欄番号21~27は相手方陳克華の単独取得とする。

(5)  別紙遺産目録不動産欄番号16、28~30、有価証券欄番号1~4は相手方楊静仁の単独取得とする。

2  相手方陳克華は、前項遺産取得の代償として、申立人3名に対し各19万6575円あて、相手方陳永剛に対し15万7374円、相手方楊静仁に対し86万9125円を支払え。

理由

第1申立ての趣旨

被相続人陳東の遺産につき適正な分割を求める。

第2当裁判所の判断

一件記録によって認定される事実及び判断は次のとおりである。

1  裁判管轄権、準拠法

被相続人は、中華民国籍であるが、相続開始時点において日本に住所を有していたから、我国に裁判管轄権がある。そして、法例26条により被相続人の相続については本国法である中華民国民法が準拠法となる。

申立人らは、本国法を適用することは日本法による配偶者相続分と対比すると配偶者である申立人陳桑について極めて不当な結果になり、長期間にわたる在日外国人に本国法を適用することは公序良俗に反するから、法例33条を適用し、本国法の適用を排除すべきであると主張する。

しかし、被相続人は長期間日本に在留しながら、その意思で中華民国籍にとどまり数々の台湾関係団体の要職に就くなど、本国との密接な関係を継続し、その文化を大切に守ってきたことが窺われるから、被相続人の遺志を尊重すべき遺産の分割に関して、その本国法を適用することは、むしろ法例26条の要請するところであって、これが日本の公序良俗に反するということはできない。

2  相続の開始、相続人及び法定相続分

被相続人陳東は、昭和60年12月16日死亡し、相続が開始した。

相続人は、申立人陳桑(妻)、申立人陳永勝(四男)、申立人康秀秀(三女)、相手方陳永剛(長男)、相手方楊慶蘭(長女)、相手方陳克華(二女)の6名であったが、まだ遺産分割終了前に楊慶蘭が死亡したため、その相続人楊○○、同楊△△、同楊○△、同楊静仁が楊慶蘭の地位を継承した。

中華民国民法によると、法定相続分は相手方亡楊慶蘭継承人を除く相続人が各6分の1、相手方亡楊慶蘭継承人が各24分の1である。

相手方亡楊慶蘭継承人楊○○は平成5年8月21日、同楊△△は平成5年8月28日、同楊○△は平成5年9月5日それぞれ同楊静仁に対しその相続分を譲渡し、いずれも本件遺産分割事件の当事者たる地位を喪失し、本件審判手続から脱退したことが認められる。

そこで、各当事者の法定相続分は各6分の1となる。

3  遺言の存在

被相続人は、昭和60年12月5日「陳東の甲不動産合名会社の持株150株(150万円)の内75万円を陳永剛に譲渡します。陳東生存中の場合は再調整します」と記載した書面を作成している。

この書面は相続開始の11日前に作成されており、申立人ら及び相手方陳克華は相手方陳永剛が被相続人に対し強要して作成したと主張している。しかし、当時被相続人の意識状態は「意識清明」であったと認められること(C乙第23号証)、また申立人らのいう「強要」があったと認めるに足る証拠もないことから、この書面は出資口数75口を相手方陳永剛に譲渡、あるいは遺贈する趣旨の自筆証書遺言と認めることができる。

ただし、持分の譲渡は他の社員の承諾が必要である(商法73条)ところ、この手続きがなされないまま相続が開始して、被相続人は死亡により退社した(同法85条)ため、相手方陳永剛は、75口につき持分の払戻請求権の遺贈を受けたものとみるのが相当である。

4  遺産の範囲・価格および現況

分割すべき遺産の範囲・価格・現況は、別紙遺産目録記載のとおりである。相続開始時に存した遺産のうち、既に処分された物件(処分済み遺産目録記載)は、遺産から離脱したものとして本件審判の対象から除外する。立木については、その所在及び各所在地ごとの評価額が不明であるので、本件審判の対象から除外する。債務については遺産分割の対象にならないので除外する。

当事者全員、遺産の評価は相続税申告書(乙第21号証の1~4)によることを合意している。これによる遺産の価格は別紙遺産目録記載のとおりであり、分割対象遺産の合計額は、323,531,580円である。

(1)  不動産

〈1〉 別紙遺産目録【不動産】番号32について

同目録1~31が遺産であることについて当事者に争いはない。同目録32について、相手方陳永剛は甲実業株式会社が建設し所有している旨主張している。しかし、相続税申告書には遺産として記載されていること、陳永剛以外の相続人は遺産性について特に争っていないこと、陳永剛自身同物件と共に当初甲実業(株)所有と主張していた同目録31の物件について意見を変更して遺産であることを認めていることからして、これも遺産とするとの趣旨にも解されることから、32も遺産と認める。

〈2〉 別紙特別受益目録【不動産】番号12について

相手方陳克華は、同物件も遺産に属する旨主張する。しかし、この不動産は申立人陳桑名義であり、遺産に属するとは認められない。

(2)  動産

〈1〉 乙株式会社株式500株について

申立人らは5000株とし、相手方陳永剛は5500株と主張している。この差の500株につき、申立人らは現存しないと述べており、相手方陳永剛は特に反論しておらず、他の当事者も同様である。したがって、同株式500株は遺産には含まれないものとするのが相当である。

〈2〉 甲不動産合名会社出資口について

被相続人が昭和60年12月5日付で作成した自筆証書遺言に記載されているものであり、前記認定のとおり相手方陳永剛に帰属しているものであるから、遺産の範囲から除外するのが相当である。

〈3〉 ○○○名義の株式

申立人らは遺産に属すると主張し、相手方陳永剛は遺産ではないと主張する。○○○は当裁判所からの照会に対し何らの回答もしていない。同株式が被相続人の遺産に属するとの積極的な証拠もないから、本件遺産分割の対象から除外するのが相当である。

5  寄与分

申立人陳桑及び相手方陳永剛はそれぞれ相続財産に対する寄与を主張する。

しかし、本件準拠法である中華民国民法には寄与分を定める処分に関する規定がなく、我国において中華民国民法を適用しながら寄与分を認めた裁判例も見当らない。仮に同法の下で寄与分を主張することが認められるとしても、本件においては以下のとおり両名のいずれにも遺産に対する特別の寄与を認めることはできない。

(1)  申立人陳桑は、「昭和14年(20歳時)来日して被相続人と結婚し、被相続人と先妻との間の子らを育てながら家事に従事した。さらに結婚の際の持参金1200円を被相続人が経営する合資会社甲商行に提供したり、戦中戦後を通じ被相続人の商売に協力し、昭和26年甲実業株式会社の設立後は監査役に就任し、以後も経理全般を把握し、資金調達面、殊に銀行の決算資金の過不足の管理と資金繰り、販売商品代金の入金状況の管理と回収の管理、乙仲費、倉庫料支払いの検討、現金収支の管理、商品の在庫量と発注量の調整等全面的に協力した。」として遺産形成に対する寄与を主張する。

しかし、同申立人が出捐した1200円(相手方陳永剛は否定している)は「昭和33年に1200円を物価換算した120万円のうちの117万円によって神戸市灘区寺口町36番の2、同37番の宅地を同人名義で取得した」旨同人自身が認めており、これに対する代償を得ていること、その他の営業への協力に対しては他にも自己資金を形成していたことや甲実業株式会社設立後は同社から相当額の報酬を受けていることが認められ、無償あるいはこれに近い形での労務の提供をしていたとは認められない。

(2)  相手方陳永剛は、「昭和28年大学を卒業後甲実業株式会社に入社した。同社は昭和35年から貝殻取引、昭和44年からタオル事業を始めたが、これらは相手方陳永剛自らが輸入、販売先を開拓し、事業として確立させたものである。上記に加えて化粧品販売部門も陳永剛が担当しており、これら3部門は昭和38年から昭和62年までの甲実業株式会社の利益の約83%を占めている。この利益によって、甲不動産合名会社は資産の形成をおこなった。」として被相続人が営む事業に対する労務の提供、その他の方法での貢献を主張する。

しかし、同人の貢献は、専ら被相続人の事業に対するものであるところ、同人は甲実業株式会社および甲不動産合名会社からC甲第39号証8枚目によれば、昭和54年3月からの給与1,072,000円、C丙第28号証によれば相続開始時1,475,000円の報酬を得ており、十分な対価を得て稼働していたと認めることができる。

6  特別受益

中華民国民法1173条の解釈については、当事者の意見が対立している。

同条は、持ち戻すべき贈与として「結婚分居(分家)又ハ営業ニ因リ」と規定している。この点につき申立人らはこれを拡大解釈し上記以外の事由によって財産を贈与した場合であっても上記の一に準じられるべきものもあることを認めるべきであるとし、相手方陳永剛は中華民国最高法院判例が「同条は贈与の事由について限定的に列挙しているものであって例示規定ではない。」旨判示していることからも限定的に解釈すべきと主張する。また、同条の規定する「営業」の意義についても申立人らは営業に関して贈与を受けた一切のケースを包含すると解釈すべきであるとするのに対し相手方陳永剛は「独立して事業を経営すること」と解すべきであるとする。

同条は、その価額の計算時期について「贈与ノ時ノ価値ニ依りテ計算ス」と規定している。申立人らは、同条項は著しい物価変動を予測せず定めた規定であるから、法例33条により公序良俗違反として通用を排除し、日本民法904条により相続開始時の価格にスライドして算入すべきであると主張し、相手方陳永剛は明文規定がある以上これによるべきであると主張する。

(1)  ところで、持ち戻し対象財産との主張がされている物件は、別紙当事者が主張する特別受益目録記載のとおりである。

【不動産について】

〈1〉 相手方陳永剛名義の不動産について

当事者が主張する特別受益目録【不動産】番号1~5相手方陳永剛名義の土地(地目宅地および田)建物(未登記)について、相手方陳永剛は同人が所有していた台湾土地の小作料収入や祖母陳○○の拠出金で購入した物であること、取得当時結婚は予定されていなかったとして、持ち戻しの対象から除かれることを主張している。

土地は昭和28年売買により取得され、建物は昭和29年春建築され、これには祖母が深く関わっていたこと、相手方陳永剛が見合いしたのは昭和30年4月、婚姻届出は昭和31年10月9日であることが認められるが、他方被相続人の作成した書面(C甲第39号証)によると贈与と認められること、同相手方の当時の年令から近く結婚することが予定されていたものとみられること、しかも同物件はその後の生活の本拠となっていることを総合すると、これは結局結婚のための贈与と解するのが相当である。従って、一応持ち戻しの対象となると解される。

〈2〉 申立人陳永勝名義の不動産について

当事者が主張する特別受益目録【不動産】番号6申立人陳永勝名義の土地(宅地)は、持ち戻しの対象となるべき贈与に基づくことについて当事者間に争いがない。

〈3〉 相手方楊慶蘭、同陳克華名義の不動産について

当事者が主張する特別受益目録【不動産】番号8~11(相手方楊慶蘭、同陳克華が持分各8分の1を有する田)は、被相続人からの贈与であることについては当事者に争いがない。しかし、その贈与は婚姻分家営業のいずれの目的を持ってなされたものでもないから、持ち戻しの対象とはならないものと解される。

〈4〉 申立人陳桑名義の宅地について

当事者が主張する特別受益目録【不動産】番号12は、昭和44年12月25日売買によって取得されている。申立人陳桑は、結婚の際の持参金1200円が元になって取得した不動産に他の同人名義の不動産を合わせたものを、この不動産と交換した旨を述べて、遺産にも受贈財産にも含まれない旨を主張している。その資金調達方法は必ずしも明らかでない(相手方陳永剛は、自己資金との主張は疑わしいと主張する。)が、仮に贈与としても「結婚分居又ハ営業ニ因ル」ものとは認められないから特別受益にあたる贈与ではない。

【株式・出資口について】

申立人ら、相手方楊静仁及び相手方陳克華は、甲実業株式会社と甲不動産合名会社の相続人所有の株式、出資口がいずれも被相続人からの贈与であることを認めている。しかし、相手方陳永剛は、自己名義の株式は祖母の資金であるいは労働の対価として取得したものであるとして、贈与されたものであることを否定している。申立人らは、この贈与が「営業」に該当するとして、全部を持ち戻しの対象とすることを主張し、相手方陳克華は、会社に直接関与した者とそうでない者を区分し、申立人陳桑と同陳永勝、相手方陳永剛の株式・出資口についてのみ持ち戻しの対象になると主張し、相手方陳永剛は「営業」に該当しないから持ち戻しの対象に含まれない、仮に「営業」に該当するとしても持ち戻し免除の黙示の意思表示があると主張している。

前記認定のとおり、相手方陳永剛は会社から十分な対価を得ていたものであり、これら株式・出資口数まで労働の対価とみるのは相当でない。後記のとおり被相続人の配慮により他の相続人同様贈与されたものとみるべきである。ところで、甲実業株式会社といい、甲不動産合名会社といい、いずれも同族会社で、家族がその経営権に直接関係しているので、その株式ないし出資口の贈与は、いずれも「営業ニ因ル」贈与とみるのが相当である。

【株式売却代金について】

申立人陳桑は、昭和57年の家族会議で株の買戻しが決まり、申立人康秀秀、相手方楊慶蘭、同陳克華が少なくとも3000万円を受け取っているとして、これを持ち戻しの対象にすることを主張している。

資料によれば、以下のとおり受領していることが認められる。

康秀秀 昭和57年6月~60年4月 80,000ドル

(20,364,000円)

楊慶蘭 a 昭和57年11月、12月    44,576,600円

b 昭和56年2月~昭和58年9月 46,000,000円

陳克華 a 昭和58年7月~昭和58年1月 31,072,408円

b 昭和58年7月         11,072,000円

(aは領収書、bは振込金受取書の記載額。重複部分がある。)

しかし、申立人康秀秀の受領した金額が株式移動の代償金か否か明確でない。楊慶蘭については、現時点でも11000株がそのまま同人名義で残されており、上記送金が株式代金か、他の贈与か、単に経理処理上のものか、その性格は不明である。また、陳克華は同人が受け取った約3000万円のうち2000万円は株式の売却金であることを認めているものの、1000万円は夫に対する給与とし、さらに被相続人が示した買収金額は3億円であると主張している。これらの金員の性格や額については明らかでなく、いずれにしても「結婚分居営業」には該当しないから、持ち戻しの対象にはならない。

(2)  次に持ち戻しの免除について検討する。

以上のとおり結婚を予定しての贈与とみなしうる申立人陳永勝および相手方陳永剛が受贈した不動産、および会社の経営権に直接関係する株式及び出資口については、一応持ち戻しの対象と考えられる。

しかし、被相続人は「1979年(昭和54年)迄男子、女子への別途給与」(C甲第39号証10枚目)と題した書面を作成しており、そこには相手方陳永剛と申立人陳永勝に贈与した不動産に加えて、相手方楊慶蘭、同陳克華、申立人康秀秀に対する婚姻時およびその後の現金の贈与、および不動産(当事者が主張する特別受益目録【不動産】8~11)の贈与が記載されており、この他にも「陳東より三人女子への分配」と題された書面があり、ここには「嫁入時家具外持参金」として各350万円が記載されていることなどの事実に照らすと、被相続人が子女らの婚姻に際して、各人にそれぞれ応分の財産を取得させることを意図し、これを実行してきたことが認められる。また、株式・出資口については、被相続人がその配分に関し中心的役割を果たし、長男と二男側が同等の分配を受けたいとする家族の意向を承知し、株式については配分方法・金額等にも細かい計算をしていること、永年の間に少量ずつ移動していること、被相続人の先妻の子である陳永剛(その妻子分を含む)と後妻の子である陳永勝(後妻陳桑を含む)に同数所有させる結果となっていること(甲実業株式会社は各39,070株、甲不動産合名会社は各325口)などを総合すると、被相続人は、家族間の調整対価関係について生前から永年に亘って十分な配慮を積み重ねてきて、その分配を実行してきたことが認められる。そして、被相続人は上記C甲第39号証10枚目の表題を「別途給与」と記載していることを合わせ考えると、同人が上記のような配慮に基づいて子女に贈与してきた財産は将来の相続とは別に、これを切り離して、各人に給与するものと考えていたことが窺われるというべきであり、これらが相続にあたって、改めて持ち戻しの対象として考慮され、各相続人の具体的相続分に影響を与えることを予定していたとは考えられない。従って、これらを特別受益として持ち戻すことは、かえって被相続人の意図から外れる結果になると思われる。

そうすると、前記のような各相続人の受贈財産については、いずれも1173条1項但書の規定する持ち戻し免除の黙示の意思表示があったものと認めるのが相当である。そうすると、同条の解釈につき詳細な検討を経るまでもなく、本件各受贈物件は特別受益として持ち戻す必要はないことになる。

7  具体的相続分

本件においては、寄与分も特別受益も認められないから、各相続人は中華民国民法に定める相続分に従い、遺産を各6分の1あて取得することになる。したがって、各人の具体的相続分は53,921,930円となる。

8  遺産の分割

以上認定の遺産の価額・現況、各相続人の生活状況・遺産分割に対する意見等本件記録によって認定される一切の事実を統合して、遺産を次のとおり分割し、各人につき過不足が生じた部分については代償金の支払いをもって衡平をはかるのが相当と認められる。

不動産欄番号1~5、17~20、特定同族会社の株式欄記載の甲不動産合名出資口全部、預金欄記載預金全部、その他欄記載遺産全部を申立人3名の持分各3分の1の共有取得とする(申立人3名は、実親子・実姉弟で関係も良好であるから、1グループとしてあえて一括分割することとする。)と、合計161,176,064円となり589,726円不足する。

不動産欄番号8~15、31、32、特定同族会社の株式欄記載の甲実業(株)の株式全部及び有価証券欄番号5を相手方陳永剛の単独取得とすると、53,764,556円となり、157,374円不足する。

不動産欄番号6及び7の持分2分の1と同21~27を相手方陳克華の単独取得とすると、55,538,154.5円となり、1,616,224.5円超過する。

不動産欄番号6及び7の持分2分の1、同16、28~30、有価証券欄番号1~4を相手方楊静仁の単独取得とすると、53,052,805.5円となり、869,124.5円不足する。

第3結論

以上のとおりであるから、不動産番号1~5、17~20、甲不動産合名出資口全部、預金全部及びその他全部を申立人3名に共有取得させ、不動産番号8~15、31、32、甲実業(株)の株式全部及び有価証券番号5を相手方陳永剛に単独取得させ、不動産番号6及び7を相手方陳克華と相手方楊静仁に共有取得させ、不動産番号21~27を相手方陳克華に単独取得させ、不動産番号16、28~30、有価証券番号1~4を相手方楊静仁に単独取得させ、相手方陳克華に対し、申立人3名に各196,575円あて、相手方陳永剛に157,374円、相手方楊静仁に869,125円の代償金の支払いを命じ、よって、主文のとおり審判する。

(家事審判官 小田八重子)

別紙 物件目録等〈省略〉

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